「お前、ギターやると女にモテるぜ」

今思えばギターが一人足りないバンドに誘う為の口実だったのではないか、と彼は後に述懐する、、、
 
当時はバンドブームと言う事でやれZIGGYBOOWYだ何だかんだと流行った頃だった。本当はピアノを習いたかった彼はその一言でギターに転向、一生懸命「GLORIA」とか「マリオネット」とか「No Newyork」とか覚えました。
ライブがありました、彼は一生懸命弾きました、日本語学校塾のクリスマスパーティで自前の30Wのアンプを用意して一生懸命弾きました
 
ライブが終わりました
 
片づけをしているとボーカルに彼女がやってきて「おつかれさま」とタオルを渡してました、、、まぁボーカルはバンドの顔だから仕方ない
リードギターのところにも何人か女子が来てワイワイ言ってました、、、まぁリードだから仕方ない
ベースのところも何人か女子/男子が来てヨカッタのどうのこうの言ってます、、、だんだん不安になってきました
ドラムはどちらかといえば男子が多かった気がしますがワイワイ言いながらセットを片付けてました。
 
そしてギターの彼は結局一人でシールドケーブルを巻きアンプを運び家まで帰りました。
 
違う、そうじゃない俺が下手くそだったからだったんだ、、
 
彼は一人自省しました。そう、まだ参加して半年くらいの身、もっと練習しないとモテないぞ、と。そして彼は家に引きこもり一生懸命練習しました。
 
もっと速く緻密に、そして情熱的に、、、
 
いつしか彼のウォークマンからZIGGYBOOWYは消え、代わりにモトリークルーやガンズ、ポイズンが流れるようになりました、、、まだだ、もっと上手くならないと!!
そしていつしか彼のウォークマンからはオジーメタリカ、スレイヤーが流れるようになりました、、、だめだ!こんなんじゃ、、、
そしていつしか彼のウォークマンからは道路工事みたいな騒音が聴こえてくるようになりました、、、、 よし、これなら大丈夫
 
そして彼はバンドメンバーに声をかけます。そう、今の彼なら「Angel of Death」だって「天国の階段」だって弾けちゃうんです
 
「えーもう俺バンドやめたんだ。これからアイツとカラオケいくんで」
「時代はパンクロックだぜ?」
「ゴメン俺、来週デートだから」 
 
ふん、お前ら踊らされやがって、俺はここで立ち止まったりしネェ、、もっと練習して上手くなってもっと美人さんとお付き合いするんだ、、と当時大好きだったキムベイシンガーが出てるTOPGUNを観ながら一人黙々と練習をし続けました。
 
そして20年の年月が経ちました
 
さぁそんな彼のモテモテギターを聴いて見たいと少しでも思った君!迷わず下のURLから飛んで5月10日の渋谷ギルティに行ってみようぜ?
http://www.allusion-tokyo.com/dctv/